Riske's blog

ただの日記です。

病院の待合室でぼんやりと思い出した過去の話。

タブレットの壁紙を変えますた。ユキヒョウの赤ちゃんです(^^)

 

ども、りすけデス。

今日は予告通りに病院へ行き、そして薬局で結構待たされて帰ってきました。さすが風邪・インフルエンザの季節。病院も薬局も混み混み。マスクをせずに行ってしまったので、今ちょっとビクビク(^^;;

今日はそんな待ち時間に思い出した、ワタシが昔眼鏡屋さんで働いていた時のことを書きます。

 

ある時、中学生の女の子が眼鏡を作りに父親に連れられてやって来た。娘が父親に連れられて、というのもちょっと珍しい。

 

これがまたとても大人しい子で、検眼をする前にワタシがいくつか質問をしたんだけど、んー…と考えてから小さな小さな声で答える。かと言って、決して暗いわけじゃない。とても誠実なイメージ。

 

ただすごく気になったのが父親。彼女がほんのちょっと言葉に詰まったり、声が小さかったりすると間髪いれずに「早く答えなさい!」「ハッキリ言いなさい!」…。

彼女はその度に萎縮したような表情になり、更に言葉が出てこなくなる。

 

ふーん…とワタシは思ったですよ。これか、とね。

 

検眼をしたりする間、父親は買い物があるからとかで娘だけを置いて出かけた。その間、彼女は父親と一緒にいる時とは明らかに違い、笑顔を見せて話をしてくれた。人に気遣いできる優しい子だった。

 

今で言う「毒親」というヤツなのかな。過干渉の親。

 

視力の低下の原因っていろいろあるけれど、ストレスもその中のひとつ。かく言うワタシも子どもの頃から視力が良くない。これも小学生の頃、転校したストレスが原因。(イジメにあったワケではないんだけど)

 

彼女の視力は既に仮性近視ではないところまで落ちていた。

たぶんもっと早い頃に視力は落ち始めていたんだろう。でも彼女がそれを親に告げたのは、ここまで視力が落ちてしまってもはや教室の黒板がほとんど見えなくなってしまったからだろう。

そこまでひとりで我慢してしまったんだろうな、とワタシは勝手に想像した。

 

検眼が終わり、眼鏡のフレームも決めた頃に父親が戻って来た。ワタシが眼鏡を加工する間の約1時間、親子は何処かへ行き(母親や兄弟と落ちあって食事でもしてきたみたい)、また戻って来た。

 

眼鏡というものは、お客さんの頭の形や鼻筋に合わせて調整をする。そこが眼鏡屋の一番の腕の見せどころ。ここで手を抜いてしまい、お客さんが後で「眼鏡が落ちやすい」とか「眼鏡をかけていて疲れる」なんて思うのは眼鏡屋としてのプライドが許さない(笑)。

 

その時も少し時間をかけて調整をした。細々と訊くワタシに、彼女はやはり少し考えつつ答える。またしても父親がそこで「早く!」とか「ちゃんと!」とか言う。

 

「てめーは黙ってろい!」←江戸っ子風にお願いしますw
何度ワタシがその言葉を飲み込んだか…(^^;;…ガラが悪くてスンマセン。

 

だいたい何故彼女の視力が落ちてしまったのか、気付こうともしない。アンタのせいだよ、バーカ!くらい言ってやりたかった。 …もちろん言わなかったけどねw

 

調整が終わり、顔・頭にもジャストフィットした眼鏡をかけてみた彼女がワタシの問い「どう?良く見える?かけてても痛くない?」に対して、「はい!良く見えます!痛くないです」と満面の笑顔で答えてくれたことを今でもよく憶えている。

あの笑顔、あの父親は自分に向けられたことはあるんだろーか。それを考えたことはあるんだろーか。…そんなことをふと思った。

 

***

 

そうかと思えばこんな話もある。

今度は母親に連れられてやってきた、やはり中学生の女の子。とても可愛い顔立ち。

 

その子が言うには「最近黒板が見えにくい」のだそう。でも、検眼してみても眼鏡をかけるほど視力は落ちてはいない。

うーん…と思いつつも、彼女はガンガン「眼鏡をかけたい」思いをアピールしてくる。お客様の要望に答えるのも眼鏡屋としての務めなので、ごくごくわずかの度が入ったレンズで試してみる。それに対して彼女、「よく見えます!」とのこと。

 

思春期の女子、眼鏡をかけたくないという子はいても、必要もないのに何故わざわざ眼鏡を?しかもあんなに可愛いのに…と思いながら眼鏡を作った。そしてその間他のところへ行っていた彼女とその家族が全員ウチの眼鏡屋に来た時に謎は全て解けた

初め母親だけがついて来た時には気付かなかったが、父親・姉ふたりと5人家族が揃ってわかった。

 

彼女以外、全員が眼鏡をかけていた。

 

彼女はきっと、自分だけ仲間外れみたいな気持ちになってたんだろうね。

 

思春期に限らず、子どもの心理には出来る限り周りの大人が気を配ってあげたいなと思う。ワタシは独り身なので子どもがいる生活は経験していないけれど、外部の大人として出来ることをしたい。意外と親が見過ごしがちなことも多々あると思うしね。

 

今日書いたふたつのエピソードはもう10年以上前のことだから、ふたりとももうアラサー(笑)。どうかふたりともシアワセな人生を歩んでいますように、と風邪っぴきがたくさんいると思われる病院の待合室でぼーっと待っていたワタシでありました。

 

今の子ども用眼鏡、フレームにたくさん選択肢があってうらやましい…